地獄針漁法
9/24 北東の風が少々強いが天気はいい。今日は1日、釣りに出かけることに決めていた。
70cmクラスのタマンやナポレオンをバシバシあげている一成氏から地獄針漁法を教えてもらうためだ。
これさえマスターすればキャンプが一段と楽しくなる。
朝からワクワクしていた。
一成氏にワイヤー使った仕掛けなどを見せてもらい見よう見まねで同じような仕掛けを作る。
足りないものは釣具屋へひとっ走りしながら準備する。
干潮2時間前の昼1時、メシ食ったあと星砂ビーチのリーフエッジへいざ行かん。
風をまともに喰らい波は高く砕け散り水深もまだモモほどあったのだが、、、
一成氏キャストして30秒も経たないうちに40cmオーバーのクチナジをゲット。
僕が餌をつけたり色々と戸惑っている間に、またまたクチナジゲット。
さっきのより一回り大きい。完全に刺身サイズだ。
釣りはじめて、まだ5分も経たないのになんてヤローだ。
ようやくこっちにもヒット。30cmくらい。煮付けサイズかな。
1匹目だけは完全に絞めて糸に縛る。あとから釣れたのはえらから通して泳がす。
順調に釣れていき3匹目ミーバイ40cmほどのいいかたを僕が挙げたころには一成氏はもうすでに6匹も釣っていて、
しかも全て40cmオーバーのいいサイズ。
まだ40分も経っていないのに、、、さすが漁師を目指していただけある。
時間帯もいい。はっきりいって入れ食いの釣り堀状態。
感心しながら3匹目にあげたミーバイをえらから通そうと竹串を突き刺していたらえらに結び目が引っかかり、なんと串が折れた!ポトッと目の前に落ちミーバイはダッシュで深みへ。
しまった、、っとミーバイ追っかけようと焦っていたら、目の前をなにやら変な物体が通り過ぎていく。
1匹目に絞めたクチナギをひきずって2匹目にあげたクチナジが猛烈に泳いでいた。
ミーバイ追っかけようとした時に糸が腰紐からほどけたのだ。
、、やばい、、2兎追うものは、、なんとかってやつだ!
ミーバイは捨て置き、ゆらゆらとうごめくクチナギ2匹を何とか捕まえようと手探りで追う。
水深がモモくらいまであるので動きづらいし掴みづらい。
あんな不自然な動きをするクチナギを逃がしたとあっては一成氏に一生バカにされる。
もーしょうがない。つかむのが困難なら仕留める気持ちで猛然とチョップを振り下ろす。
なんとこれが見事に当たり、ようやく回収成功。
おかえりクチナジくん。
なんか視線を感じる、、、一成氏がにやにや見ていた。
、、あぶない、、一生コケにされるとこだった。、、しつこいからなー、、奴は、、
キャッキャ、キャッキャ、激しく言いふらすだろう、、
そんな中またしても一成氏ヒット。
今度はでかそうだ。ぐいぐい引いている。すげーな、と感心しながら離れたとこからみていると、
なにやら腰の紐が揺ら揺らと自由に泳いでいる。
彼のことだから何か訳合って泳がしてるのだろうか?一応声かけてみる。
一成さん、腰紐とけてんじゃーないか?
ぬ、ぬ、ぬぉー、マジか。
、、、
さっきあれほど僕のことを笑っていた奴が5分も経たないうちに同じことを目の前で披露してくれる。
笑いを超えて悲しさが僕を包んだ。
、、、マジだったんすか、、
右手で竿をグイグイ引っ張りながら左手であたりを探っている。
少しして右手のほうは完全に諦めがついたらしい、、
竿を水中にぶっさして、なんかかき混ぜてる、、
釣り人ならリールは絶対に海水につけないが、漁師目指してた一成氏がソレをするとは、、
完全に壊れたようだ、、、
たまに顔までつけてあたりを探っている。
、、、泳いでとりいくつもりか、、
こんな荒れ狂った波の中を。いや、、奴ならやりかねん、、
あのヨナラ水道を西表島からショートボードで小浜島に渡りサーフィンし、またパドルして戻ってくるようなヤローだ、、
しかも、あんまり波なかったからつまんなかったなーって平然としている輩だ。
一成さーん。泳ぐのはマズイヨ。かなり流れてるし、、
、、ぉ、そうかな、、
、、やばい、、完全にへこんでいる、、
これ以上しげきするのはよそう、、
2時半、干潮ど真ん中に入り、さっきまで入れ食い状態だった釣りが完全に終わってしまった。
となりから伝わってくるネガティブオーラ。さっきの獲物流出のあとは、全然当たりもないようだ。
3時、だんだん潮が動いてきて水深も増してくる。
ブレイクする波のパワーもダイレクトに伝わってくる。
そろそろ戻ろうか、一成さん。
そうだな、、
終わってみれば僕の釣果がクチナジ3匹、ミーバイ1匹、バラフエ1匹。
2時間の釣りにしてはいい釣果だ。
一成氏、全部海に流して、リール海水にどぶ漬けして終了。
あんまりにもへこんでいたので、そのあと飲みにつきあって終える。
結局ワイヤー地獄針漁できず、、